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zoom RSS サンゴの首飾り

<<   作成日時 : 2009/06/19 16:00   >>

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「桜桃忌」の今日は太宰治生誕100年だそうです。「人間失格」発表の翌月、愛人と共に玉川上水に身を投げました。当時の玉川上水は水深20cmでありながら流れが速く「人食い川」と呼ばれていたといわれます。「桜桃忌」とは作品の一つ「桜桃」から名付けられましたが、それは冴えない作家と妻との夫婦喧嘩の話でした。

作家には子どもが3人いるんですが、そのうち一人は異常があるらしくまともに成長していません。そんな心配事も夫婦で話し合うこともなく、酒に浸りいつも自殺したいと考えています。家事と子育てに追われる妻とのいさかいから酒を飲める場所に行ったら「桜桃」が出ました。

子どもたちはさくらんぼなど見たこともない。糸でつないで首にかけたらサンゴの首飾りのように見えるかもしれない。持って帰ったらどんなに喜ぶだろうと思いながら、自分の口に入れては種をペッと吐き出す。子どもの幸せを願いながら虚勢をはるように「子どもより親が大事」とつぶやきます。

太宰作品では自分ばかり不幸のどん底にあるのは、自分が純粋であるからだとされています。そして純粋な自分にはこんな社会は生きにくい、だから自殺するという構造になっています。
今の若者たちに太宰は人気があります。若者たちが感じる閉塞感や社会への絶望は、太宰のように自分が純粋であるからだと思っているのではないでしょうか。人間的な弱さをさらけ出しているのが大きな魅力ではあるのですが。死ぬことによって自分の文学を完結させたかったのかもしれません。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
NAGAさん

破滅型の作家、太宰治。人気は今も変わりません。私が読んだのは、若い頃です。麻薬的な文章の煌めきに幻惑されました。「桜桃」や「ヴィヨンの妻」は、矢張り、太宰の実生活が素材になっているようです。太宰は、しかし、嫌う人も多いです。出自への劣等感から、東大まで行きながら、自殺願望に取り付かれています。女性を死なせたりしました。文学者としては優れていますが、人間としては「失格」でしたね。まあ、文学に溺れる人間は、多かれ少なかれ、似たようなものですが・・
shuttle
2009/06/19 18:04
shuttleさん、こんにちは。

「ヴィヨンの妻」では、「おそろしいのはね、この世の中の、どこかに神がいるという事なんです。」「神がいるなら、出て来て下さい!」というさっちゃん。
最期をともにした女性は「スタコラさっちゃん」と太宰から呼ばれていたそうですが、神のお出ましを待つ気もなかったということでしょうか。

NAGA
2009/06/20 15:16

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