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zoom RSS 猫のいる風景

<<   作成日時 : 2009/07/19 13:54   >>

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石牟礼道子さんの著作「詩文コレクション」のなかに「世界の声に聴き入る猫」というのがあります。

「夕陽のひろがるのと同じ感じでみっちんには、いろいろなものたちの声が聞こえました。草や、灯ろうとしている花たちの声とか、地の中にいるみみずとか、無数の虫たちの声とか、山の樹々たちや、川や海の中の魚たちの声とかが、光がさしひろがるのと同じように満ち満ちて感じられ、それらは刻々と変わる翳をもち、ひとたび満ち満ちたその声は、みっちんの身体いっぱいになると、すぐにこの世の隅々へむけて幾重にもひろがってゆくのでした。

なんだか世界と自分が完璧になったような、そしてとてももの寂しいような気持を、そのときみっちんは味わいました。家猫のみいが耳をじいっと立てて人間と離れ、畠の隅の岩の上なんかにいて、夕陽の方を向き、いくら呼んでも聞こえないふうで、世界の声に聴き入っているような姿をしているわけが、そのときわかったように思えました」

猫が猫であり、人間が人間であることは、自然の大きな移ろいのなかではささやかな時間です。だからこそ、かけがえのない輝きに満ちているのでしょう。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
NAGAさん

石牟礼道子さんの「詩文コレクション」は、読んだ事がありません。「苦界浄土」は、読みましたが・・。散文系の私は、詩的世界にほとんど縁がありません。しかし、詩は大好きなんです。感覚的には受容できますが、解説できないのです。その点、女性には敵いませんね。
shuttle
2009/07/20 08:27
NAGAさん こんにちは
村上春樹氏の体験によると、アメリカの猫は、日本語で呼びかけても、返事をしてそばに寄って来るそうですね。
よそ者に横を向く国と真っ直ぐ向く国と、人だけでなく猫も、でした。
あわぞう
2009/07/20 09:15
☆shuttleさん。「苦界浄土」が発刊されたのは、50年も前になるでしょうか。水俣の貧しい主婦がチッソ被害の情況を纏め上げたのですが、まだ完全解決とはいかないようですね。海を奪われた農民とその一族が、命の危険に晒されながらも「自分たちは誰も殺さない」と述べたというニュースに感動したものです。企業城下町の抱える宿命というか、悲しさを感じました。

☆あわぞうさん。呼んでも気が向かなければ無視、寝ていても名前をいえば尻尾で返事をし、お腹がすけば擦り寄ってくる。これは日本の猫ですが、アメリカ猫はどうなんでしょう。寝てばかりいるのは同じでしょうね。「寝るために この世に生まれし 猫なれば」よそ者にまで気をつかっていると寝る間がなくなりますよ。
NAGA
2009/07/20 16:58

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