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zoom RSS 蒼穹の昴

<<   作成日時 : 2009/11/07 14:07   >>

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私は浅田次郎氏の作品が大好きです。初めて目にしたのはスポーツ紙の連載小説でした。「浅田次郎?え?新田次郎の間違いじゃないの」と言われた時代でした。題名もあらすじも忘れてしまいましたが、奇抜な展開と滑らかな文体に魅了されたものです。その後週刊誌にエッセイを連載(勇気凛々ルリの色)、ほどなく「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞を受賞しました。

1951年生まれですから58歳、作家としては遅いデビューでしたけど、そのぶん内容の濃い作品が多いと思います。直木賞受賞後も数多くの傑作を発表しています。「蒼穹の昴」はあまり騒がれませんでしたがパールバックの「大地」を凌ぐ壮大な物語だと思います。

落日の清朝、領土を狙う国々が迫ります。英国はアメリカ、フランスが手を出せないように香港の「永久租借」を提案しました。これに対したのが李鴻章です。「我が国には永久という単位の数字はない。完全を百とすれば、百に届かぬ一歩は99、つまり99という数字は我が国では永遠を意味する。租借期限は調印から数えて向こう99年間、すなわち1997年6月末日とする」

調印に携わった人間たちは誰も1997年までは生きてはいない。でも99年という時間は確実に経過するのです。ユニオン・ジャックが総督府の屋根から降ろされたあの日、私は大きな感動と共に現実と物語の一致を味わったのでした。

直木賞受賞後、「オー、マイ、ガァッ!」の出版記念を兼ねて近くのホテルで後援会がありました。「禍福は糾える縄の如し」や「100年前といっても所詮3代前」の話が印象に残っています。二言三言お話できましたけど、穏やかで物静かな紳士でしたね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
最近読んだのは、「憑神」という拝むと祟られるきつい神さまの話でした。
さわらぬ神には拝まぬ神になのか、うっかり拝むな、あるいは拝んだふりをするなということでしょうか。
見せるために拝む人もいますね。
あわぞう
2009/11/08 08:53
あわぞうさん、こんにちは。「憑神」ですかぁ、まだ読んでおりませんけど面白そうですね。楽しみです。あの世とこの世が混在した世界で愛や情けを語る作品が多いですから、どんな祟りをもたらすのか。でもハッピーエンドなんでしょうね、いつもどおりに。
NAGA
2009/11/08 14:41

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