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<<   作成日時 : 2011/11/17 14:34   >>

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北杜夫氏が亡くなったのは10月26日でしたが、親交の深かった遠藤周作氏はすでに15年も前、鬼籍に入っていました。遠藤氏は1923年生まれで北氏より4歳年上ですが、1996年73歳で逝去。北氏は84歳だったとのことですが、今頃はあちらで愉快なやりとりをされていることでしょう。

大病から恢復して以来、遠藤氏は軽井沢の山小屋で暮らしていました。近くに住む北氏は乗馬が健康に良いことを教えてくれるのですが、遠藤氏のほうはいまひとつ信用ができません。夏も過ぎ、多くの避暑人が引き上げた秋の夕暮、侘しい気持ちで散歩していると、むこうの道から、ロバに乗ったサンチョのような男の姿が見えてきました。

いえサンチョではなく北氏で、ロバではなく軽井沢の農家が耕作用に使うヨボヨボの駄馬でした。北氏は駄馬に乗ってヒョロヒョロとこちらに向かってきます。遠藤氏はなつかしさのあまり「北クーン」と叫びました。北クーンはロバの上から、いえ馬の上から「やぁ!」と答え、馬に「トマレッ」と命じました。

でもこの馬は難聴なのか強情なのか、トットコトットコ足を早めて反対の方向に歩き出しました。「北クーン」「トマレッ、トマレッ」「北クーン」「トマレッ、トマレッ」「北クーン」やがてトマレッという声も北氏の姿も夕暮れのススキの影の中に次第に小さくなって、遠藤氏は追いかけるのを諦めたのでした。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
NAGAさん

遠藤周作氏の「 狐狸庵閑話」という名前は、「こりゃあ、あかんわ」のもじりだそうですね。「ぐうたら」な生き方を標榜していました。北杜夫氏も、「マンボウ」物で若者の心をつかみました。本当は二人とも内面は大真面目な人柄だったわけですが、外面では、「ふざけた姿」に見せかけていましたね。NAGAさんの夢の世界、面白いです。
shuttle
2011/11/18 08:48
shuttleさん、こんにちは。
飄々とした人柄のように見えますが、実は繊細で心配りが細やかな
お人だったのだろうと思います。いたずらがお好きだったそうですが、
佐藤愛子サンが仰るように「早々死んでしまって困るじゃないの、
どうしてくれるの」その気持ちがよくわかります。
NAGA
2011/11/20 13:59

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